派遣から正社員になる方法
僕が派遣からどういったプロセスで年収1000万になったかを4つのSTEPに分けてあらましを書いた。
最も重要なのは STEP3:転職する(エージェントはmust)ことであるのは疑いないが、派遣社員にとって一番難易度が高いのは STEP1:正社員になる だろう。
派遣として年齢を重ねてしまった数ほど、その難度は比例して上がってしまうだろうが、少なくとも、30代前半までの人にとっては僕の経験は参考になると思う。
とはいえ、何か変わったプロセスを踏むわけではない。
まずやるべきは、エージェントに登録する事だ。
無難にリクルートエージェントあたりをお勧めする。
僕自身もそうだったが、職歴がゴミすぎる派遣社員にとってエージェントとの面談さえも苦痛だ。
強みとして語れる部分がほとんどなく、とても恥ずかしい。
傷つく。
それでも、エージェントの力が必要になる。
職務経歴書や履歴書の書き方、面接対策セミナーなどで必要な事を教えてくれる。
もしかしたらセミナーなどは登録しなくても受講できるかもしれないが、いつでも相談できる窓口はあった方がいいし、実際の面接の際には、過去聞かれた質問などをリストにして渡してくれるなど明らかなメリットがある。
また、応募条件に満たない場合も企業と会話してセッティングしてくれる可能性が出てくるし、面談日の調整のやり取りも都度緊張しながら自分自身でやり取りする作業をSKIPできる。
ただ、派遣社員のような人材はエージェントにとって収益期待値が低く、モチベーションは高くないだろうし、どういった人物か自身の担当になるかはほぼ運任せになる。あまりうまくいかないようなら他のエージェントも試してみるといいだろう。
ここまでで、必要な書類と面接についてのノウハウを準備できたら次は応募である。
僕の場合は20件ほどの応募を薦められて、その通りにした。
僕の場合、その中から4社ほど面接に行くことができた。
そして、最後に面接だ。
面接は、派遣社員が正社員になるために最も頑張らくてはならないステージだ。
「人と話すのが得意じゃない」
「面接だけは苦手だ」
などと言ってる場合じゃない。
キャリアと経験が圧倒的に劣っている派遣社員が、普通の人たちに勝てる可能性があるステージはここだけだ。
面接で抜群の印象を残すことで、下剋上を起こすことができる。
僕の場合、4社の面接を受けて2社内内定をもらったが、落ちた2社も最終面接まではいった。
言い換えれば、何も持たない派遣社員が4社とも1次面接は通過する事ができた。
なぜそんなことができたのか?
それは、徹底的な面接対策をしたからだ。
例えば「志望動機は?」「なぜうちの会社を志望したのか?」「あなたの成功(失敗)体験を教えてください、また、そこから何を学びましたか?」といった、googleで検索すればすぐに出てくるような面接の典型的な質問集がある。
僕が最初にやったのは、これらのような質問集のすべてに回答を文章で用意し、すべてを口語で暗記した。
やってみてもらうとわかるが、文章と口語ではリズム感が違うため、文章丸暗記では違和感がでてしまう。
面接をシュミレーションしながら、言い回しや間を自然な感じになるまで修正し、反復練習した。
慣れてきたら、暗記してきた事がばれないように、今考えて回答しているような空気感ができる所まで詰めた。
ここはしゃべりが上手下手ではなく、反復練習の地道な努力だ。
ちなみに、当然のごとく結構つらい。
だけど「面接は自分のありのままをぶつければいい」といったスタイルではダメだと言い切れる。
たぶん、派遣社員が行ける面接の数はそう多くはない。
行けた面接は全部受かる気概で臨まないと、チャンスを棒に振るかもしれない。
そのためには準備できることは、しすぎるほどしておくべきだ。
また、典型的な質問ではなく、その企業固有の質問というのもある。
それらの情報はあらかじめエージェントに過去問を貰い、これもあらかじめ回答を用意し、口語で暗記だ。
とてもオーソドックスな手法だが、面接で回答を暗記しまくっておくのが特徴的だと思う。
受けた面接の1つ。
面接官に途中で「...あなた...相当準備されて臨んでますね?」と言われた。「はい、もちろんです」と答えた。
その面接は、即日次の面接日の調整連絡が来た(合格の意)。
また、最終的に入社する事になった会社の最終面接を担当していた当時の事業部長は、入社後、僕を「過去最高に面接の応答がずば抜けていた。他社と競合することになったら、条件を上げでも獲ると人事に言っていた」とまで評してくれた。
準備をすることで、1つの回答が別の質問の回答と矛盾していないかを事前にチェックもできるし、どの面談でも安定的に自身が考える最高の回答をする事ができる。
もしかしたら暗記してることがばれるかもしれないが、それは決してマイナスに受け取られない。それくらい準備をしてでも入社したいという強いメッセージになっているからだ。
今、僕は面接官の立場で面接を担当する機会もある。
大体の人がその場で回答を考えて回答している。
どの人もきっと能力もあり、キャリアも立派なのだろうが、はっきり言って、当時の派遣時代の僕の面接の方がクオリティーが明らかに高いといつも思う。
自身の能力やキャリアに自信がある人の多くは、面接準備は特段していないことが多いからこそ、僕は面接こそが、派遣社員にとって大きなブレークスルーの可能性があると思っている。